Let’s talk about “THINGS”

from SAKANA & LEF!!!CREW!!!

互いに今までのキャリアは?

SAKANA(以下、S): 20歳くらいからDJを始め、大阪でELELELというパーティーをNOONでやってました。国内ゲストはもちろん、時には海外からもOPTIMOを呼んだりした企画もやりましたが、今は一旦止めている状況です。そのパーティーを通してWSZ80と会い、呼んだり呼ばれたりして今に至るって感じです。

WSZ80(以下、W): ここ最近はLEF!!!CREW!!!の活動をメインに、とにかく全国の現場から現場を駆け回ってきました。SAKANA君と出会いはLEF!!!の立ち上げ以前からで、俺もRECLASHというパーティーを横濱で立ち上げた頃かな?それも来日したインディーバンドが数々と出る様なパーティーで、そこからMiila and the Geeksが生まれたり、LEF!!!はパーティーから始めそれをCREW化してみたりと。それで各方面にてさんざん散らかした後(笑)、2年前くらいからは完全に一人でもレフクルーとして演ってます。

モジュラーシンセと、THINGSを立ち上げたきっかけ。二人で始めた意図って?

S: DJパーティーは一通りやってきたから、次になにかないかな~?と思ってた時にシンセサイザーを触り始めました。ただ流石にモジュラーシンセ(以下:モジュラーの略称で統一)はハードルが高いな~?と感じてたんだけど…、丁度WSZ80が始めてるってことを聞いて、モジュラーを扱ってる楽器屋で宮地楽器ウーリーズと、CLOCK FACE MODULARの事務所へと連れてってもらい、そこで実機に見て触れて「これならチャレンジできる!」と思い手に入れました。

W: 俺もモジュラーに至った経緯はほぼ同じ、とにかく自分の今までのDJプレイから脱した完全に生のライブ化をしてみたくって。一人のLEF!!!CREW!!!になってからはずっとハードシンセを集めては鳴らし、ライブでも試行と錯誤を繰り返してました。ただそれは紆余曲折の毎日でして実際に行き詰ることも多々あったんだけど…、モジュラーをやり始めてからは「やりたかったのってこれか!」って感じでさらに加速し、半年ちょいでこの状態(笑)

S: で、始めたならばやっぱモジュラーを鳴らす(イベント)が欲しいよね!?ってことで、僕が仲よかったCIRCUS TOKYOに相談したら興味もってもらえたので、このTHINGS TOKYOの開催が決まりました。

W: 試行錯誤のこの数年間は、流石に主催のパーティーは出来ないな。と、自分でストップかけてて実際2年近くと企画はやってなかったのかな。とはいえ、今までの活動において俺はある種、企画力で名を上げられた!という感謝もあったので、次俺が主催する時ってのは、いよいよまた勝負をかける!的な渾身のタイミングでしかないな、と考えてました、それが今ですよ、まさに!時は来た的な!!!
SAKANAくんが大阪でやってたパーティーにはシンパシーを常に感じてたし、そんな彼がモジュラーを始めたのなら、まじこれ以上ないガイダンスだ!と思い、速攻で彼に相談して二人でTHINGS -Electric Dance Modular-を立ち上げました。

THINGSの内容、出演者の詳細は?

S: まずTHINGSはモジュラーシンセでダンスするイベント。そのダンスには様々な解釈があってもいいですが、基本、モジュラーシンセで踊る、躍らせるというテーマが大前提です!
ゲストのCRZKNY以外、LEF!!!CREW!!!を筆頭に全員がモジュラーシンセでプレイするメインフロアでは、皆それぞれにそれぞれのダンスを追求してもらい。一方ラウンジでは、よりモジュラーに特化したプレイでライブして貰いつつ、実際にモジュラーを間近で観れたり触れたり出来るフロアにする予定です、僕もモジュラーで初のライブをします。

W: 掲げてるElectric Dance Modularはテーマ、つまり俺たちのEDMはこれってこと!(笑)
国内で既にあるモジュラーイベントへのリスペクトもあるからこそ、THINGSは俺らだからこそやれる/やる意味の有るダンスに特化したパーティーにしていきたいです。ラウンジはサロン的な雰囲気が出せたらいいよね?

S: メインでプレイするZ_Hyper、RINTAROもライブ終わったら、使った機材を持ってラウンジにきてくれると言ってたので。実際にさっきはどうやってたのか?とか、色々と聞けたりディスカッションしたりする場になったら最高ですよね。ラウンジのライブのラインナップもばっちり揃いましたし!

W: メインの方が特にバッチバチのダンスだからね。互いのフロアでいい意味の温度差が生み出せたら成功だよね。
あとイベント全体として、勿論モジュラーが一番のテーマとしてはあるんだけどさ。基本、機材は何を使おうが「やばい奴はやばい!」と常に思ってるからさ、ゲストのプレイヤーに関しては機材で特に縛るとかは考えてないんだよね。そこは常に、今最高の表現者を呼びたいと!思っているからこその今回はCRZKNYな訳だしね。

S: THINGSはモジュラーがテーマであるけど、やはり一番大事なのは音。音は同様でありそれ以上だから。とにかく今のCRZKNYと、今のモジュラー化したLEF!!!CREW!!!が鳴らし合うところがまず観たかった。

W: 個人的にもケニー(CRZKNY)とは以前から何回も共演し、ツアーさえも一緒に行く関係性もあったからさ。俺がLEF!!!CREW!!でまた勝負かけるタイミングが来るならば、その時頼みたいのはケニー!とずっと心に決めてたし、今も尚最前線で身体張り続けてきてた彼がさ、相変わらずと即応えてくれたその心意気には本当に感動したし、実際光栄でしかないよね!改めて胸をかりるつもりで新たなる求道の挑戦者としてぶつかっていきたいっすね。

S: でね、その両者の間にハマりつつもね、また別の何か(次元)を提示してくれるんじゃ!?ってのがTARO AIKOなんだよね。彼はAPHEX TWINが最近のライブで披露したモジュラーラックの中でも、特に愛用してるというM.A.S.F.というモジュラーの制作者で、そのプレイ自体もこの界隈の中で圧倒的に極悪。そのライブを見た瞬間にまじ殺られて出会ったその日にしこたま彼と酒を呑んでそのまま出演を依頼しました。

W:APHEX TWINはFUJI ROCKのオフショットで思いっきりM.A.S.F.のシャツ着てたくらいよね!

それでなくともTARO君がやってるENDONってバンドはノイズエクスペリメンタルシーンの素晴らしい人達だしね、バンド界隈でもこの決定に沸いてました。そもそもM.A.S.F.はギター等のペダルエフェクターのブランドとして既に有名だったからね、まず本人と会えて嬉しかったよ。

S: ちなみに最初に決めてたのはこの二人。Z_Hyperはモジュラーシンセの展示も多い宮地楽器ウーリーズのスタッフでもあり、モジュラーの可能性を僕らに教えてもらった方。実はスタジオにも一緒に入ってくれて、モジュラーなら何でも音が創れるんじゃないか!?ってのをまさに体現してる人ですね。

W: そう、若くしてモジュラー達人、俺の最初の師匠。俺はまずモジュラー始めようと最初に駆け込んだのが宮地楽器ウーリーズだったのね、そこで本当にいろいろ教えて貰った。最初に店行った時、一瞬でガバキック作ってくれた時は相当ぶち上がったよ。今は彼にモジュラー自体も創ってもらったり、Z_Hyperのインスタグラムは常日頃上がってくるTIPSとしても非常に参考にしてます。このサイトでも今後、活躍していただきたい筆頭の存在です。

S: RINTAROは、KOARAでも探心音というパーティーを長年やってきた方で。マナーある4つ打ち、文脈の溢れるモジュラープレイは必見です。

W: 彼はDJもやるから話がはやいし、音楽的にも詳しい。なにより彼のやってるCLOCK FACE MODULARというモジュラーシンセ専門のWebショップは、そのサイトクオリティも素晴しくって、小粋でいて実に解りやすい。とても優秀なモジュラーのデータベースとしても機能してますよね。これは言ってもいいかわからないけど、ちゃんと連絡すれば事務所にも行けて様々なモジュラーを目の前に親身に説明してくれるかもなので、紛れもなく国内随一のモジュラー最高店といって過言でないです。扱ってるモジュールも様々なブランドが世界中からほんと数多く揃っててさ、そのセレクトもいいんだよね、いちいち洒落ててさー。全部欲しくなる…

 

S: あとはgalcidも決まりましたよね!!!

W: galcidはシンセサイザーのキャリアで言えばだいぶ先輩だけど、モジュラーシンセというかEurorackでいう所だと同期めいたものも感じてまして。っていうのは、俺、最初に挨拶できたのが宮地楽器ウーリーズでお互いモジュラー買いに来てた時なんだよね!(笑)さらに言うとそこで「この前CRZKNYとやってましたよね?」的な所から話が弾んだ経緯もありまして、今回はガイダンスめいたものだらけなんですよ。彼女はこないだまでUKツアーに行ってたりと実に素晴らしい活動を既にしてて、俺らも掲げるダンス出来るモジュラーのアーティストとして非常に近いところにいると思うので、是非おこがましくもこれからもこうやって共闘していけたらなー!という存在ですね。

S: 見事に揃いましたよね、盤石の布陣が!!!

W: そう、皆のお陰様でね!自分らがまず楽しみすぎるよ、当日。って、こんだけのもん揃ったんで簡単に見逃さないでほしいですよね、これ、まじで。

今、なぜモジュラーなんでしょう?

S: 個人的には純粋にDJじゃない表現をやってみたくなったことがまず第一なんだけど、例えばYoutubeとかに今は海外のモジュラーアーティストとかイベントも色んな動画があがってるんですよ。河川敷でやってるやつとか、屋上でやってるやつとか。国内でもシーンは勿論あるにせよ、日本ではまだまだ色々とはないから、僕たちでモジュラーを軸に色々とやってみたいと思ってるんです。そのこれからの物!って感じが特に今なのかな、とは思ってます。

W: 自分的にはモジュラーってのは、簡易的になりすぎた物や音に対しのある種のカウンターだとも思ってて、調べていくうちにもその成り立ちや存在意義にインディペンドな魂があることを知って、それがよりハマった理由の一つです。さっきのSAKANA君が言ってたのって、河川敷のがModular on the Spotで、屋上でやってるのはModular on the Roofだよね。これらはLAシーンの現状みたいだけど、フライヤーに開催場所も@LA RIVERとしか書いてなかったりして、いちいち最高なんだよね…笑

USでは個人のモジュラーメーカーが様々あるし、エフェクターシーンともリンクもしつつ、既にトップブランド化してるメーカーもあるくらいだよね。ただ知る限りですが、技術は競いあっても足を引っ張るというか出し抜く的な感覚はまだなさそうで、実に素敵な横繋がりがそこにあるというか、完全にインディー的なスタンス、佇まいに惹かれてますね。

S: 世界的に言っても、ここ数年かなり流行っているんですよ。UKで活躍する様々なDJのブースをみると、ターンテーブルやCDJの傍にモジュラーを構えてる人も最早珍しくないくらい。それこそさっき話に上がったAPHEX TWINも今モジュラーを取り入れてプレイしてる訳だし…、ちなみに僕とケースが同じです!笑

W: それこそDJにモジュラーを巧みに導入してるプレイヤーと言えるSURGEONの来日は今年も行ったけど、2年前くらいはまだPCをベースに+モジュラーくらいでそれでもかなり衝撃的だったのに、

今年のセット観たらいよいよPCすら使ってなかったからね。モジュラーとコントローラーのみで2時間がっつりタイトに皆を躍らせまくってたよ、あれは凄かった!

S: 出来るんですよね、モジュラーでダンス。

W: そう、僕らも決して突飛なことをいってるわけでなく、既に世界的にみれば音楽家達のそのトライは既に始まってる。既存のDJパフォーマンスよりももっとフィジカルな試みとして、モジュラーはなによりも有機的にその機能を果たしてると感じてます。
確かこれ言ってたのもSURGEONだったと思うんだけど、モジュラーは「野生の動物を解き放つ感覚」なんだって、面白いよね!?
謂わばより制御不能の不確な要素をぶちかますってことでしょ?フロアにさ。これ以上、乱暴な事ってあまりないよ、ブースから発せられる事でさ。ただそれを乗りこなした先にがっちりはまった瞬間が来たらさ、その時の高揚感ったらないよね。プレイヤー的にもオーディエンスにとっても、とにかくスリリングが故かっこいい。その感覚って、まじ今のフロアには今一度必要だと思ってる。
とにかく今の時代にこそ必要な、よりフィジカルの高い、よりライブらしい完全なる生のプレイを求めていたら、辿り着いた武器が俺はモジュラーっだったって事。より激しく心の底から皆と今一緒に踊り狂う為、俺は今だからこそモジュラーで音を鳴らしてる。

S: あとはそれらを踏まえても、なぜモジュラーか?って言われたら、単純にモジュラー超面白いよ!ってシンプルな理由がまずあるとも思う。

W: うん、相当面白いよ。俺基本ね、〇〇をカスタムしよーとか、プラモデルとか作るのすら好きじゃなくってさ、ミニ四駆すら大して作れなかった子供だった。その俺がはまってるんだもの、モジュラー。これ少しでもこういった作る嵌める物好きな人だったら一発ではまるよ、何より見た目からして最高だしね。

今はDJ機材だって決して安い訳ではないし、こんだけハードのシンセが様々とリリースされる今さ。皆、まじもっといろんな楽器を触って演奏をもっと楽しめばいいと思うんだよね。知識さえあれば今なら比較的安価でもモジュラーは組めますし、自分だけの用途に特化した究極のシンセなわけだからさモジュラーは。大なり小なりまず組んでみるのって超オススメです!皆まったく同じのDTMで同じソフトシンセ使ってます!ってのよりも、少なくとも俺はそれぞれの個性が使ってるものからしてそのキャラ滲み出てる方が表現的に見てて面白いな~と思うしさ。

S: それらの意味でもとにかくTHINGS当日にはいろんな人が来て欲しいですね。モジュラー好きな人は無論だし、ダンスミュージック好きな人は勿論と。シンセ、ハード機材好きにDTMオンリーのユーザーだって来て見て比べればそれだけできっと楽しいし、単純にこの日だけはその全てのコネクト部分がモジュラーになればいい訳で、バンドマンだって来れば新たな発見が必ずあるでしょうし。

W: そうそう。それこそ実は、ギターエフェクターで近年名をあげまくってる米国のEarthQuaker Devices(以下、EQD)のエフェクター、デモボードがさ!この日はモジュラーと並んで展示してもらえることも(さっき)決まったのよ!この前スタジオでモジュラーとEQDのエフェクターとセッションしてきたんだけどめっちゃよかったんだよね。それ以来、俺もEQDのエフェクターを外部で繋いでライブしてるし、当日はラウンジでモジュラーとの試奏もさせてみたいよね、楽しみだな。

S: わー、当日がめちゃ楽しみになってきた!ま、とはいえ僕らもこのTHINGS自体は一発目ですからね、実際どーなるかがわからないとこだって多々ありますから、正直いうと(笑)

W: そこも正にモジュラー的とゆーわけで(笑)当日はとにかくさ、俺らの新たな野生は完全に解き放つからさ。それ全力でやりきる事だけは約束しますので。実際にそれがどんな風に纏まるのか?って事すらを楽しんで、現場に来てくれる皆と一緒に体感しながら最高へと共に創りあげてゆきたいですね!

S & W: 9月14日(木)の20時~24時「THINGS -Electric Dance Modular-」at CIRCUS TOKYO、是非、まずはこの場に来てください。宜しくお願いします!